その後オークション・カタログ『i ART』78<春季特別オークション in Spiral@表参道>を見ていたら、渡辺崋山筆「江山漁楽図」が出ていました。かの『渡辺崋山先生錦心図譜』(1941年)には北海道の小熊幸一郎という方の所蔵として登載されていますが、それから80年以上世に隠れていたことになります。
先日アップした椿椿山の「僕の一点」と同じタイトルという点で、興味をそそられました。図様も賛詩も異なるのですが、椿山がこの崋山画を知っていたことは疑いないでしょう。もっとも「江山漁楽図」というのは、箱書きをした渡辺崋石の命名らしく、崋山自身は「山樹屋艇」と書いているのです。どうも「江山漁楽」という画題は、饒舌館長がよく知らなかっただけで、広く流布していたようです。
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