というわけで、江山漁楽という画題は脇に置いておくことにして、両者を見比べてみると、椿山が師の崋山から大きなインスピレーションを得た可能性も考えられるように思います。椿山の師崋山に対する尊敬の念を考えれば、当然のことですが……。それはともかく、さすが崋山先生、椿山のように他人の詩をパクッタリするようなことは致しません。しかもこの9・7・9・7言という詩は、崋山における制作過程の一端を教えてくれる点で、とてもおもしろいと思います。またまたマイ戯訳で……。
天保三年 春の日に 「江山漁楽図」描いたが
満足できずそのあとは 葛籠つづらにしまっておきました
是非……と欲しがる人があり そこから出して彩色を
加えたけれど拙劣な ブラッシュワークは隠せません
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