2023年1月7日土曜日

和漢朗詠集・酒7

 

お屠蘇といえば、江戸川柳に傑作があります。「飲み逃げをして薬種くすりやで屠蘇を買かい」という一句です。江戸時代、屠蘇散は年末に医者からもらうのが通例だったそうですが、前に病気を診てもらったとき薬代を払わなかったため、結局年の瀬に屠蘇散を薬屋でみずから買う羽目になったというのがオチです。飲み逃げといえば酒と相場が決まっていますが、薬というのも笑わせてくれます。

いま僕は『季刊 音楽鑑賞教育』という雑誌に「美術の楽しみ」と題する連載エッセーを書いています。この11日号には土佐光吉筆「月次風俗画帖」(山口逢春記念館蔵)から一月の正月風景を紹介しました。イントロには正月にちなむ詩歌を引用したのですが、真面目な漢詩や和歌ばかりじゃ~おもしろくないので、この江戸川柳で盛り上げることにしたんです() 

0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼 高階秀爾先生16

   総合司会の大高保二郎さんがみごとに〆れば、 2024 鹿島美術財団東京美術講演会もほぼ定刻に終了、会場を地下ホールに移して、コロナ明け初のレセプションとは相なりました。僕たちは高階秀爾先生の一日も早き快復を祈念しつつ歓談、杯を重ねましたが、 9 日後に幽明界を異にされるとは...