2022年11月22日火曜日

繭山龍泉堂「唐三彩」24

 

何もかにもがたがたと音を立てて崩れ落ちているような気がし、明日を想えば更に暗澹たる今日このごろではあるが、正倉院三彩をながめていると、なにか若々しい希望がわいてくるような気がし、澎湃たる奈良時代のいぶきを身近にかんじるようである。何としても日本ももう一度立ち直らねばならないが、じっとながめていると、文化再建の鬱勃たる力が、緑色の小さな鉢から滾々と湧いてくるような気がする。……どこを見ても悲凄な気がたちこめ、日に日に険悪となってゆく世路に行きなやみながらも、たまたま見る正倉院三彩の美しさにうたれ、とりとめもない筆をとった次第である。


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