2022年11月12日土曜日

繭山龍泉堂「唐三彩」14

 

先にあげた静嘉堂文庫美術館が所蔵する唐三彩ベストスリーを見ていただければ、不定形釉のオンパレード、改めて説明する必要はまったくないでしょう。

もちろん、繭山龍泉堂唐三彩展から拾えば、「三彩印花飛鳥蓮葉文三足盤」のように、文様を形押ししたのちに、はみ出さないよう丁寧に釉薬を塗った作品もあります。しかしこのような作品は少なく、同じ形押しでも「三彩印花宝相華文洗」になると、印花の周りは褐釉と藍釉の乱舞――不定形釉のアラベスクといった感じになっています。

しかし不定形釉は、中国陶磁において大変珍しいのではないでしょうか。あることはありますが、稀有であるといっても過言ではありません。しかし日本の焼き物はちがいます。


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