岡戸さんは「写真」の問題も取り上げました。なぜなら写真も立派な影だからです――だから写真を撮ることを撮影というんでしょう。写真――文字通りには「真を写す」近代の発明ですが、僕はスーザン・ソンダクの「現代においてあらゆるものは写真に撮られるために存在する」という名言を思い出しながら聞いていました。
これはインスタグラムの誕生を予言した言葉としてときどき引用されますが、岡戸さんの発表と関係づければ、もっと深い意味を読み取ることもできるように感じられたからです。つまり、現代ではあらゆるものの「真」つまり本質が求められている――しかしそれは写真と同じで、いくら求めてみても本質の幻影にすぎないのだ……。
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