2021年9月11日土曜日

火酒16

 

この出典は『因伯紀要』という本だそうです。もっとも摂津池田といえば、池田酒で有名な酒どころ、酒仙館長も大好きな「呉春」はそれを代表する銘酒ですね。つまりこの「火酒」というのは、しっかりと醸された池田酒を褒めたたえたもので、本当の蒸留酒であるはずはないと思います。

しかし「饒舌館長」に「火酒」をアップしているうちに、『日本画家辞典』に火酒をやったと伝えられる酒仙画家・楊谷のことがチョット思い出されたというわけです。もっとも、本当に「火酒」と書いてあるのかどうか、いつか『因伯紀要』に直接当たってみたいと思います。そもそも家房などという徳川将軍はいないんですから()

最後に、僕が愛するテレビ番組BS-TBS「酒場放浪記」で有名なマルチ俳人・吉田類さんのエッセー集『酒場詩人の流儀』(中公新書)から、火酒を詠んだ名吟を2首紹介して、マイ火酒談義は終ることにしましょう。

  僧に非ず俗とも成れず火酒[ひざけ]呑む

  火酒[かしゅ]過ぎて亡者の船に揺られたる


0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」13

ここで 僕が とくに 興味深く感じるのは、男性である狩場明神 の上に金剛界大日如来が、女性である丹生明神の上に胎蔵界大日如来が配されていることです。 つまり 金剛界が男性と、胎蔵界が女性と結びつけられている の です 。    2017年春から初夏にかけ、三井記念美術館で特別展 ...