2020年7月11日土曜日

七夕5




織女牽牛の二星が一年に一度び天の川を渡って会合するということは古く『淮南子』や『荊楚歳時記』にも見えている。即ち織女は天帝の子で、年々機杼の業にいそしんでいたのを、父帝その独居を憫み河西の牽牛に嫁せしめた処、其の後織女は機織ることを怠ったので、天帝大いに怒り一年に一度天河を渡って相逢うを許し其の時雨降って渡れぬ時は烏鵲河を鎮めて橋をなし、織女はこれを渡って逢瀬を楽しんだというのである。
ここでも織女が河を渡って逢いに行くことになっています。もっとも、羅信耀(藤井省三ほか訳)の『北京風俗大全』(平凡社)によると、牽牛の方が会いに行くことになっていますが、これはずっと時代が下った中華民国時代の話で、そのころはそういう異説も生まれていたのでしょう。

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