もっとも、陸游には「桃源」と題する七律もありますが、どうも桃源なる地で詠んだ感懐のようで、桃源郷のイメージはまったく感じられません。というわけで、「山西の村に遊ぶ」をまたまた僕の戯訳で……。
農家が師走の仕込み酒 濁っていたって構やせぬ
客へのご馳走 鶏や豚 豊年ゆえか山盛りに……
川は入り組み山高く 行き止まりかと思ったら
芽吹く柳と桃の花 こんな処にまた一村
笛や太鼓が響き来る もうすぐなんだろ春祭り
みんなの着物は質素だが 古きゆかしさ遺ってる
今後も一人 月の夜に 訪ねて来てもいいならば
迷惑だろうがこの杖で 門をたたかん真夜中に
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