2019年6月8日土曜日

芳賀徹『桃源の水脈』5


ところで僕が大好きな鬼才・李賀も理想郷を詠みましたが、それは「夢天」のように、桃源郷をさらに超えた宇宙にありました。あるいは逆に、もっと人間的な猥雑ともいうべき時空にあったように思います。李賀が桃の花を登場させる詩に「将進酒」がありますが、芳賀さんなら、これは桃源郷の対極にあるものだとおっしゃるでしょう。しかしこれこそが、李賀にとっての桃源郷だったのです。もちろん僕にとっても……( ´艸`)

ガラスのさかずき琥珀色
小さな樽から注がれる ワインは真紅のパールのよう
龍を煮 鳳凰包み焼き 流れる脂[あぶら]は涙のよう
絹の屏風と刺繍した 帳[とばり]が閉じ込むよい香り
響く龍笛ワニ太鼓
明眸皓歯 柳腰
歌いつつ舞う美女の群れ
加えて春は真っ盛り 日は今まさに暮れなんと……
乱れ散ってる桃の花 まるで真っ赤な雨のよう
君に勧めん一日中 ジャンジャカ飲んで酔いに酔え!!
かの劉伶[りゅうれい]も死んじゃえば 墓まで酒はやって来ず

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