もともと宅子さんによる『東路日記』という旅日記が遺っており、研究資料として校刊もされていたのですが、これを読みやすい形で世に出したいという健さんの熱い思いが聖子さんに伝わり、この素晴らしい本が誕生したのでした。
田辺聖子さんといえば、ちょっと心残りの思い出があります。僕が『國華』の主幹を預かっていたころ、もう少したくさんの方々にこの美術雑誌を読んでほしいなぁと思い、丸谷才一、ドナルド・キーン、渡辺保といった多くの人に愛されている知識人に、論文でも随筆でも自由にお書きくださいといって、お願いしたことがあります。
実をいうと、すでに何回か紹介した天羽直之さんのアイディアであり、みな天羽さんが親しくされていた方々でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿