2019年6月17日月曜日

追悼 田辺聖子さん3


宅子さんたちは伊勢から善光寺へと参詣の足を伸ばし、江戸見物を楽しんだあと、懐かしき故郷へと無事戻ってくるのですが、その間5ヶ月、正確には144日、距離にして800里というのですから、驚くとともに深い感動を覚えずにはいられません。

江戸時代はきわめて安定した社会のもと、経済が発展し文化が成熟したすぐれた時代でした。知識としては、僕もその事実を理解していました。しかし聖子さんの『姥ざかり花の旅笠』は、それを分かりやすく、そして具体的に教えてくれたのでした。

ところで、先日も「饒舌館長」に登場していただいた俳優の高倉健さんは、宅子さんの5代あとにあたるご子孫なのです。健さんの本名は小田剛一ですから、小田宅子さんの直系にあたる方なのでしょう。健さんは、その因縁をみずから『あなたに褒められたくて』(集英社文庫)というエッセー集に書いています。

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