特に驚いたのは、キリスト教のなかに、儒教との共通性を認めようとする「象徴派」なる一派――英語では「フィギュリズム」というようですが、そういう一派が存在したという事実でした。
そんなバカな!! キリスト教は人間を超越した絶対神を頂点とする宗教であり、儒教は人間社会に最高の価値を認める宗教ではありませんか。そもそも儒教が宗教かどうかはきわめて疑問であって、むしろ哲学、さらにいえば人生哲学に近いのではないか――僕はこんな風に考えてきました。
それがなんと、なんと、両者には交響する思想が潜んでいるというのです。もしこれを中国人が言い出したのなら、僕も驚きませんよ(!?) しかしこの場合、主張したのは西欧のイエズス会だったのです。
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