しかしこんなことを僕が指摘したり、証明したりする必要はまったくありません。先の源豊宗先生に代わって、今回は中村元氏にご登場いただきましょう。論文「仏教――民族性によるその変容」(『総合講座 日本の社会文化史』3 講談社 1973年)において、半世紀以上前すでに指摘されているんです。
中村氏は日本仏教の特徴として、7、8か条ほどあげています。そのなかに「理」以上の「事」の重視、無常なる現世の肯定、即身成仏、人間における自然の性情の容認があります。また我が国が外来思想を受容する際には、3つの特徴があるそうですが、その一つは非合理主義的傾向で、直感的・情緒的傾向と言い換えてもよく、仏教も例外ではないとおっしゃっています。先に松長有慶氏の著作から抽出した密教における3つの特徴と、有無通じているではありませんか。

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