コシマキに「インド・チベット調査の体験を踏まえ、現代人の見失ったコスモスをマンダラの中に捉え直し、密教の真髄を解明する」とあるとおりです。密教の真髄を解明した名著だと思います。松長氏は第3章「真理の表現」のなかで、つぎのように指摘しています。
人間の感覚器官には五種ある。目、耳、鼻、舌、身体がそれであって、仏教の術語によればそれを五根という。……五根の対象となるものを五境と名づけているが、色(物質)、声、香、味、触(皮膚に感じられる対象)の五種である。
仏教では一般に五境は人の心に煩悩の迷いをおこさせるもとになると考えて、それを五塵とも名づけている。もとよりそれは修行者が悟りに向かうためには避けねばならぬ対象なのである。

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