頼富本宏氏の著書『密教とマンダラ』<NHKライブラリー>(2003年)を開くと、第4章「マンダラとは何か」において「色と形のシンボリズム」であると規定しているのです。「マンダラはおおむね円と正方形が中心となって構成されているという事実である。この傾向は、決して偶然ではなく、シンボリズムの立場から大変重要な意味をもっている」として、詳述しています。色彩についても「形而上学」と題して、その象徴的意味をとても分かり易く説明しています。
もっとも金岡秀友氏は、『密教の哲学』(講談社学術文庫)において、密教を「極端な秘密主義の中に開花した高度に発達した象徴の哲学」という先入観でみることに異を唱えているようですが、密教が象徴主義的であることは否定できないように思われます。このように密教が象徴主義的宗教であったとすれば、これは日本文化の性格ととてもよく似ていることになります。

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