2025年7月25日金曜日

和歌山県立博物館「祇園南海」8

竹図

  淇水の竹林 緑なり 瀟湘 一片ひとひら 雲 浮かぶ

  楽しみたいのだ自みずからが 贈るわけにはいきません

 南海はつぎの中国梁・陶弘景のよく知られた詩を引用しているようです。

陶弘景「山中何の有る所ぞと詔問せられ、詩を賦して以て答う」

   皇帝様から下問あり 「山中 何があるのだ?」と

   「峰の上にはたくさんの 白雲 浮かんでおりまする

   けれどもこれは私奴わたしめが ながめて楽しむだけでして

   折角ですが皇帝に 差し上ぐわけにはまいりません」

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」4

   「唐絵」のもっとも重要な一ジャンルに「詩画軸」があります。かつて僕は美術雑誌『月刊 水墨画』に「河野元昭が選ぶ水墨画 50 選」という連載を続けたことがあります。そのとき現在遺っている詩画軸のなかで、制作年代の確定できる最初の作品「柴門新月図」(藤田美術館蔵)を取り上げ、詩...