2025年1月13日月曜日

揖斐高『江戸漢詩の情景』6

 

陸游「村童の渓上に戯たわむるを観る」

  雨があがってすれすれに 堤を流れる渓たにの水

  晴れた夕暮ながめてる 遊ぶ子供をのんびりと

  竹馬の子はぬかるみを 物ともせずに駆け抜ける

  我が物顔に大空で 風をはらんで唸うなる凧

  そんな子供も冬来れば 村の私塾へ通わされ

  親父おやじについていっせいに 畑を耕さねばならぬ

  字なんか年貢の命令書 読めればそれで十分で

  高位高官 苦労して 目指そうなんて愚の骨頂


0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」9

   ここで改めてこの蓋の松をみると、 松原や 松林のごとく松の木をずっと描き並べてあるわけじゃなく、はっきりと左右に分かれていることに気づきます。それはまるで遠く離れた高砂の松と住吉の松に見えてくるではありませんか。 右側が高砂の松、左側が住吉の松ということになるでしょう。 少...