たとえばここに忠孝という事がある。忠孝という名目はもちろんシナより輸入した語であるが、忠孝という事実は元来日本国民が十分に具えていて、自分が所有せるものにシナから輸入した名目を応用したものということに解釈しようとする傾きがある。しかしながらこれを根本より考えてみると、すでに国民がもっておった徳行の事実があり、しかしてまた他方に固有の国語がある以上、なにかその事実に相当した名目がなければならぬはずである。 ここに数を算えるにも日本人は今日ではシナより輸入した文字なり、音なりで一、二、三、四というごとき語を使用するが、しかし現にその輸入語のほかに固有の国語である一つ二つ三つ四つというものをもっている。(略)
2024年12月30日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
鏑木清方記念美術館「築地明石町」1
鎌倉市立鏑木清方記念美術館「あの人に会える! 清方の代表作<築地明石町>三部作」 11月30日で終わっ てしまいましたが 、 やはり清方の「築地明石町」はいい絵だなぁと感を深くしました。 2019年冬 、竹橋の国立近代美術館で 44年ぶりにこの「幻の名画」が 公開され、話題...
-
柳孝一さんが 1 月 17 日にお亡くなりになりました。享年 56 、あまりにも若すぎます。心からご逝去を悼むとともに、ご冥福を深くお祈り申し上げます。 柳孝一さんは日本を代表する慧眼の古美術商として、早くから美術業界でその名を知られてきました。いや、古美術ばかりでなく...
-
出光美術館・与謝蕪村筆「夜色楼台図」< 11 月 18 日まで>( 11 月 16 日) いま出光美術館では、江戸時代絵画の<雅>と<俗>に焦点をしぼって、「江戸絵画の文雅」< 12 月 16 日まで>と題するオススメの企画展が開催されています。これに錦上花を添え...
-
5 月 10 日(土)「高階秀爾先生に感謝を捧げる会」が帝国ホテル東京で開かれました。もちろん僕も出席させていただくことにしていましたが、ひどい風邪をひいてしまい――その風邪をこじらせてしまい、申し訳ないことながら出席することができませんでした。去年「饒舌館長ブログ」に「追...

0 件のコメント:
コメントを投稿