これは渡辺京二先生の『逝きし世の面影』が伝えるような、幕末明治期における自由にして溌剌とした子供たちとごく自然な人間的親子関係――彼らがいう「子供天国」の基底を考える際、とても重要なヒントになるように思われました。
その前提となるのが、「忠孝思想を強く押し出すことも儒教の特色とされる。人間関係の基本を家族関係と君臣関係と見、前者の間では親に対する孝、後者の間では君に対する忠を要求するのである」という指摘でしょう。
これを読んで僕は、先の小田野直武と同じく秋田に出た内藤湖南の『日本文化史研究』<講談社学術文庫>(1976年 初版1924年)にみる忠孝論を思い出しました。湖南先生にはチョッと反論したい気持ちもわいてきますが……。
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