2024年12月14日土曜日

根津美術館「百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉」9

 

安永4年(1775)の刊行ですから、「貝類標本」が本当に蒹葭堂旧蔵であったとすれば、この年以前に今の形が出来上がっていたのではないでしょうか。「奇貝図譜」といいながら、考証だけで挿図が一つもないことが不思議でしたが、木村探元と木村蒹葭堂の木村つながりであったことも不思議でした()

僕は逗子海岸で適当な貝殻を拾ってくると、箸置きとして愛用しているのですが、写真はそのベストスリーです。ところが蒹葭堂旧蔵「貝類標本」のなかに、このベストスリーをしのぐとてもいい貝殻が一つあったんです。我がコレクションに加えたいなぁと思ったことは、言うまでもありません()

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「儒教のかたち」6

これは渡辺京二先生の『逝きし世の面影』が伝えるような、幕末明治期における自由にして溌剌とした子供たちとごく自然な人間的親子関係――彼らがいう「子供天国」の基底を考える際、とても重要なヒントになるように思われました。 その前提となるのが、「忠孝思想を強く押し出すことも儒教の特色とさ...