若冲水墨画の傑作「野菜涅槃図」(京都国立美術館蔵)に奇妙な野菜が描かれています。毛むくじゃらのジャガイモみたいな野菜ですが、これが「百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉」展に出陳中の「写生画帖 菜蔬」(高松松平家歴史資料)に描かれていたんです。
「黄独」と題されていましたが、脇に「かしう」と書かれていました。『広辞苑』やネットで調べると、「かしうかしゅう」は漢字で何首烏、ツルドクダミの漢名でその塊根を強壮薬や緩下剤とするそうです。「何首烏」の漢名が「黄独」だそうですが、この写生画帖には「唐土産する所の黄独頗る此れに類す」とありますから、まったく同じではないようです。
若冲が「野菜涅槃図」に描いたのは何首烏なのか、黄独なのか分かりませんが、別に何首烏藷かしゅういもなるオイモがあるようです。「野菜涅槃図」なら漢方の何首烏や黄独ではなく、オイモの何首烏藷の方なのかな?
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