2024年8月24日土曜日

大木康『山歌の研究』1

 

大木康『馮夢龍<山歌>の研究 中国明代の通俗歌謡』(勁草書房 2003年)

今年の春エントリーした「岩波ホール『山の郵便配達』」で、大木康さんのお名前をあげました。その大木さんに『馮夢龍<山歌>の研究』というすごいお仕事があります。東大同僚時代にプレゼントされた808ページの大著を、いま書庫から引っ張り出してきたところです。いつだったか、NHKのテレビ番組「英雄たちの選択」でしばらくぶりに大木さんのお元気な姿を拝見し、懐かしさがこみ上げてきたことでした。

山歌は明時代、蘇州地方で歌われた民間歌謡です。「通俗文芸の旗手」と評された明末の著述家・馮夢龍ふうぼうりょうがこれを380首あまり収集し、10巻の『山歌』にまとめました。これをもとに大木さんも「山歌」を6種ほどに分類し、代表的な歌謡に訳注をほどこしつつ、論考を加えたのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」7

愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...