2024年8月2日金曜日

古原宏伸先生を偲ぶ1


  尊敬してやまない中国絵画史研究者の古原宏伸先生が、202082日、91歳でお亡くなりになってから早くも4年が経ちました。先生とはじめてお会いしたのは昭和40年春、60年前のことです。僕が駒場から本郷に進学してしばらくしたある日、研究室に古原先生がいらっしゃったのです。先生は京大から東大の東洋文化研究所へ国内留学され、米澤嘉圃先生のもとで研究を続けていらっしゃいました。

すでに大人の風格があり、美術史をかじり始めたばかりの僕からは、別世界に住む研究者のように思われました。しかもそのころ僕は、西洋美術史をやろうと思っていたので、とくにお付き合いすることも、教えを乞うこともありませんでした。

昭和48(1973)先生は「<明徳出版社>中国古典新書」の1冊として『画論』を出版されました。224ページのうちに中国画論のエッセンスをさらに凝縮させた名著です。

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