「教えてください寿老人 いかに除かんこの愁い」
老人笑って「我を見よ 髪の毛すべて真っ白だ
ましてオマエの人間界 除去する術すべなどあるもんか
だが妙案を君がため!! 飲んで赤子あかごに返るんだ!!
自他の区別は三杯で 毀誉きよは五杯で忘却せん
そうすりゃ<道>に通じるし 月日も自由にできるんだ
ただ酔っ払え!! 醒めちゃダメ すすり泣いても効果なし
すぐに帰って酒を買え!! この言げん帯に書いておけ!!」
愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...
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