2023年11月20日月曜日

出光美術館「青磁」6

 

中村公一さんの名著『中国の花ことば 中国人と花のシンボリズム』(岩崎美術社 1988年)によると、中国における一般的な蓮の印象は濃厚でエロティックだそうです。蓮にまつわる寓意や花ことばの類にも、セクシャルな意味をもったものがすこぶる多いというのです。その理由はやはり発音にあるようで、つぎのように説かれています。

(lian)ということばが中国語で愛情や恋を意味する憐(lian)・恋(lian)とあい通ずるところから、蓮には恋人や愛人などといった寓意があり、蓮採りつまり採蓮ツアイリエン(=採憐ツアイリエン)といえば、「恋人を選びとる」ラブハントの隠喩になることは、大変興味深い。



 

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」7

  もっとも慶長 6 年といえば、友松が桂宮家に出入りし始めたころですから、挨拶代わりの自己紹介、ブッチャケていえば売り込み作戦だったかもしれませんが、これは友松のために言わないほうがよかったかな ( 笑 ) 当時智仁親王は弱冠 22 歳、千年の齢を保ちつねに緑を失わないトキ...