2023年9月3日日曜日

竹浪遠『松竹梅の美術史』7

もっとも、揚補之が松竹梅を一緒に描いた最初の画家ではないようです。愛用する金井紫雲の『東洋画題綜覧』によると、すでに唐の有名な書家・李邕りようが、松竹梅図に6言詩を着賛しているんです。これもマイ戯訳で……。

 雪見 楽しみ酒を酌む 寒さ身にしむ独り部屋

 氷を割って湯をわかし 茶を煮りゃ部屋も温まる

 チョット酔ったらいい気分 子供を呼んで画をひろげ

  心ゆったりにこやかに 「松竹梅花」と題を書く 

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出光美術館(門司)「琳派の系譜」8

この二つの松は、『万葉集』『古今和歌集』の二集にたとえられ、松の葉の栄えは和歌の言の葉の栄えを意味し、つまりは天下泰平の象徴だというのである。 老人はなお松の徳をさまざまに物語り( クセ )、自分たちこそその松の精だと名を明かし、先に住吉へ行って待っていると言い残して小舟で 沖 ...