2023年9月2日土曜日

トークショー「都市と美術館」3

 

 これは1883年の講演ですが、都市にギャラリーや美術館が出現してそれほど年月が経っていない時代です。それに対する理想主義的観念や明るい高揚感に満ちていて、すべてに懐疑的・悲観的になっている現代の私たちをうらやましがらせてくれます。ブルクハルトが饒舌館長の「質量主義」とか「気軽に楽しめる美術館」なんていうキャッチコピーを知ったら、きっと怒り出すことでしょう。

 ブルクハルトは講演に先立ち、つねに広範囲にわたって周到な準備をしました。しかしいざ講演となると、このような苦労の片鱗も見せませんでした。話しぶりは自由で、……そして一切は真に偉大で、人間らしく親しみ深い個性で満たされていたそうです。

  ヤジ「俺のは講演じゃなく口演だなんて居直っているのは、どこの誰だ!!


0 件のコメント:

コメントを投稿

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」4

   富士の裾野における曽我兄弟敵討ちを主題とする『曽我物語』の後日談ともいうべき内容 です。 これまた一種の復讐譚 ですが 、ここに 登場するのが 十郎 に 愛 された 大磯の遊女・虎御前と、五郎 に 思いをかけられた 化粧坂 けわいざか の遊女・少将で す 。その化粧坂から曽...