ある県の長官である徐聖可が持っていたこの揚補之双幅に、士大夫の楼鑰ろうやくが七言絶句を2首、賛として書き加えたそうです。マイ戯訳で紹介することにしましょう。
誰が植えたか枝まばら 古雅なる岸辺に梅の木を
苫とまを押しやり眺めれば 俗を離れた清らかさ
竹薮から出た梅一枝いっし――その素晴らしさ見てごらん
きっと心に江南の 春の愁いが満ちるだろう
愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...
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