日本の江戸と中国の元という時空を超え、「草花蒔絵四方盆よほうぼん」と「青花松竹梅図香炉」においては吉祥性が美しい共鳴を起こしている――これが饒舌館長の見立てですね。そこに生活美術である工芸の本質を、感じ取ることができるのではないでしょうか。
北宋から南宋にかけて活躍した、墨梅で有名な画家・揚補之ようほしには、松竹梅の三つを描いた双幅があったそうです。中国ではこれを「歳寒三友」と呼びましたが、我が国の文人たちにも愛されるイメージとなりました。厳しい冬のような苦難にあっても、決して失われることのない男の友情――それが歳寒三友です。
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