この特別展を発展させて編集刊行された本書は、「鑑賞編」と「論考編」からなっています。前者は松竹梅をライトモチーフにした絵画工芸作品をカラー図版で紹介し、それぞれに解説を添えています。解説は簡にして要を得ており、しかも研究の成果がよく反映されていて、饒舌館長の独断と偏見とはわけが違います(笑)
後者は8人の研究者が松竹梅にまつわるテーマを設けて、それぞれ専門的な立場から論述を進めています。これまたすべて研究の成果ですが、脚注のついた論文と、もう少しやさしく書かれたコラムとに分かれています。
ところが密教では否定されねばならぬ五境に、逆に真理が象徴として宿っているのだと説く。またその象徴を理解するために、一般仏教ではその活動を停止することが求められている五感を、逆に思いきって活用せよという。こういったところに、果分を可説たらしめた密教の積極的な姿勢を読み取ることが...
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