2023年7月15日土曜日

『荻生徂徠全詩』第2巻5

 

荻生徂徠「支機石」

 女媧じょかが直した天の破れ そのあと残った岩や石

 銀河の流れのあちこちに ニョキニョキニョキニョキ顔を出す

 ある日 彦星やって来て 連れてる牛の角みがき

 織姫その石 何気なく 機はたの台座に持ち帰る

 夜昼よるひるなしに織り上げた 雲の錦もそのお陰

 八月 銀河へ筏いかだにて 石を抱えて帰還せり

 人に語って聞かせても みんな疑い信じません

 隕石いんせき五つ宋に降る――『左伝』の話はウソなのに……


0 件のコメント:

コメントを投稿

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」2

   このような静嘉堂の社会的貢献――いまの言葉でいえばメセナとかフィランソロピーという視点も取り入れられています。単なる静嘉堂名品展ではありません。それは中心となってキューレーションを行なった学芸員・吉田恵理さんの功績です。   「僕の一点」は宮川長春の「形見の駒図」ですね。カ...