2023年6月18日日曜日

太田記念美術館「ポール・ジャクレー」5

 

4つのカテゴリーとは、①折衷主義のレパートリーの中に日本のモチーフを導入すること、②日本のエキゾティックで自然主義的なモティーフを好んで模倣したもの、③日本の洗練された技法の模倣、④日本の美術に見られる原理と方法の分析とその応用です。

ラカンブルはこれをフランスにみられる現象で、①②のジャポネズリーから③④のジャポニスムへ段階的に発展したものとしているようです。馬渕さんはジャポニスムにジャポネズリーも含め、これをフランスだけでなく西欧全般に広げて考えることが可能だとしていますが、おおむね①②から③④へ段階的に発展したことは認めているようです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」3

  江戸時代中期に活躍した肉筆浮世絵師・宮川長春の筆になる絶品です。長春は尾張宮川村に生まれ、これを姓にしたと伝えられています。いつのころか長春は江戸に出て、菱川派や懐月堂派、さらに伝統的な土佐派をも学んで、もっぱら肉筆に創造の場を特化しました。やがて豊麗なる肉筆美人画様式をもっ...