2023年3月19日日曜日

サントリー美術館「木米」7

もっとも篠崎小竹による木米墓誌銘が105字であることと、寒食の由来となった春秋時代の介子推かいしすいを結びつけたところに、新味があるといえばあるかな() その傍証として――というよりすごくいい詩なので、盛唐の詩人・孟雲卿もううんけいが詠んだ七言絶句「寒食」を戯訳とともに掲げました。それをバージョンアップして再録させてもらうことにしましょう。

  二月江南花満枝  仲春二月 江南じゃ 満開だろう花はみな

  他郷寒食遠堪悲  寒食節を他郷にて 迎えりゃ哀しみいや増せり

  貧居往往無煙火  貧乏暮らしで煮炊きする 火は時になく明朝も

  不独明朝為子推  寒食なのは由来する 子推を弔うためじゃない

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」6

 友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社  1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...