2023年3月20日月曜日

サントリー美術館「木米」8

 

 文政6年(1823511日、木米ははじめて田能村竹田の来訪を受けました。そのときの様子は、竹田の『竹田荘師友画録』によってよく知られています。竹田は「木米喫茶図」を描き、賛と七言絶句を加えて木米に贈りました。もちろんその詩も、戯訳とともに紹介しました。

  箏琶粉黛競繁華  流れる管弦 紅べにおしろい 競い合ってる繁華街

  中有軽烟繞舎斜  そのなか茶を煮る薄煙 斜めに巡る家があり

  鴨河水即家園水  鴨川 流れる水がソク 自分の庭の水なりき

  煎出榕亭老子茶  榕亭 製した老子茶を 煎じて勧めてくれました


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出光美術館(門司)「琳派の系譜」9

   ここで改めてこの蓋の松をみると、 松原や 松林のごとく松の木をずっと描き並べてあるわけじゃなく、はっきりと左右に分かれていることに気づきます。それはまるで遠く離れた高砂の松と住吉の松に見えてくるではありませんか。 右側が高砂の松、左側が住吉の松ということになるでしょう。 少...