2023年2月17日金曜日

『美術商・林忠正の軌跡』1

 

木々康子・高頭麻子編著『美術商・林忠正の軌跡 18531906 19世紀パリと明治日本とに引き裂かれて』(藤原書店 2022年)

 コシマキには「未公刊書簡と史資料で辿るジャポニスム発信の先駆者の生涯 19世紀末の約30年間をパリに生き、日本美術の橋渡しに貢献した美術商・林忠正。仏語未公刊書簡の訳、および林家所蔵資料を駆使して、林忠正の生涯、そして同時代の日仏美術交流に新しい光を当てる」とあります。

コシマキに嘘偽りはなく、新しい光を当ててくださったのは感謝感激雨霰なのですが、何と713ページもあるんです。付録の部分を除いても600ページ――とても精読、いや通読なんかできるものじゃ~ありません。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」8

この二つの松は、『万葉集』『古今和歌集』の二集にたとえられ、松の葉の栄えは和歌の言の葉の栄えを意味し、つまりは天下泰平の象徴だというのである。 老人はなお松の徳をさまざまに物語り( クセ )、自分たちこそその松の精だと名を明かし、先に住吉へ行って待っていると言い残して小舟で 沖 ...