白楽天「鏡を杯に換える」
珠たまで飾った鏡箱の 青銅鏡を取り出して
白玉杯と酒樽に 交換しようと思います
鏡に写る老醜を 避けることなどできないが
樽酒 一杯やるだけで 愁いの消える時もある
お茶は心の煩悶はんもんを 消すけど効果は高が知れ
萱草かんぞう憂いを忘れさす――しかし効くのが遅いのだ
酒の不思議な神速しんそくに それらはとても敵かなわない
わずか一杯それだけで 愁眉を開くお酒には……
桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。 古き陵 みささぎ ――松柏 まつかしわ つむ...
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