「僕の一点」は「芥屋大門けやのおおと画賛」ですね。芥屋は福岡県の北西、糸島半島の西側にある町です。そこに絶景として知られる玄武岩の海食洞――海流や波浪の侵食作用によってできた巨大な洞穴があります。芥屋けやの大門おおとと呼ばれ、観光人気スポットとなっているそうですが、饒舌館長はまだお訪ねしたことがありません。
仙厓はこの絶景に興味を引かれたらしく、一生懸命、写生的に描こうとしています。真景図だといってもいいでしょう。いわゆる禅画調の仙厓画に馴染んだ眼には、仙厓と見抜けないのではないでしょうか。
愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...
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