ゾロメの明治33年はジャスト1900年、この年から雑誌『明星』に発表された歌を中心に399首が選ばれ、翌明治34年に『みだれ髪』が出版されました。代表歌であり、また僕がもっとも好きな「その子二十はたち櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」は、6番目に載っています。
『みだれ髪』は当時の青年たちから熱狂的に迎えられ、現在、ロマン主義文学の最高傑作、近代短歌史上の金字塔であることを疑う人はいないでしょう。しかし発表当時、専門家の評価はけっして高くありませんでした。
桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。 古き陵 みささぎ ――松柏 まつかしわ つむ...
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