先に遊女歌舞伎にもっとも近いと書きましたが、実際に観ると、宝塚歌劇は歌劇とかミュージカルというより、これは歌舞伎だという感を深くしました。歌舞伎のDNAが濃厚に受け継がれているんです。
第一に出演者が一つの性に限定されています。歌舞伎は阿国歌舞伎に端を発し、遊女歌舞伎→若衆歌舞伎→野郎歌舞伎と発展し、現在の歌舞伎は野郎歌舞伎の伝統を引いているわけですが、男女いずれにしろ単一の性によって演じられてきました。宝塚歌劇は初めから女性という単一の性に限定してきたわけです。
桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。 古き陵 みささぎ ――松柏 まつかしわ つむ...
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