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2022年6月14日火曜日

サントリー美術館「北斎」6

 

この犬は薬師如来の眷属である十二神将の一つ、伐折羅ばさら大将の見立てだというのが、これまたマイ独断です。

平安時代後期以降、十二神将と十二支が結びつけられるようになりました。もっとも、畏友・中野照男さんの『十二神将』(日本の美術381)によると、両者の結びつきは複雑で、十二神将のどの尊に十二支のどれを配するかについては、諸説があるそうです。中野さんは鎌倉時代の修法図像集『阿娑縛抄』にしたがって4つの説をあげ、分かりやすくチャートにまとめています。

しかし饒舌館長が重視したいのは、江戸時代に刊行された土佐秀信の『仏像図彙』ですね。もし北斎が参照したとすれば、この図像集にもっとも高い可能性があるのではないでしょうか? なにしろ初め元禄年間に出版されて、その後ものすごく流布したんですから……。北斎が見たとすれば、『阿娑縛抄』なんかじゃなく、『仏像図彙』に決まっています。

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