この作品については、去年追悼の辞を捧げた武田光一先生が『美術研究』348号に発表した名論卓説があって、すべてが尽くされています。
詳細はそれにゆずって、ここでは伊勢松阪から出た黄檗僧・終南浄寿が加えた、印象深い七言絶句の戯訳だけをアップすることにしましょう。
おんぼろ橋に差す夕日 すでに真紅に染まってる
川が一筋流れてる 枝垂れ柳が両岸に……
急に旅人やってきて 渡しの水夫かこを呼んでいる
深き碧みどりの入り江には 小さな舟がユラユラと……
もっとも『肉筆浮世絵大観 3 < 出光美術館 > 』 に解説を担当した大久保純一さんは、 岩田秀行さんの教示に よると礼を尽くしつつ 、先の5代目岩井半四郎を初代岩井紫若 にあてて います。 満月を浮かべる青い夜空、川面に映る 月影や 往来する舟の影、役者や橋杭が地上に作...
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