2022年5月19日木曜日

蕪村唐寅試論11

 

唐寅「花下酒を酌む歌」

  九十日間 春 三月みつき 輝く光はすぐ消える

  手を打ち鳴らし花の下 いなか歌でも歌おうぜ

  枝に咲く花 何日間 散らずにもってるものでしょう?

  人間だってどれくらい 生きていられるものでしょう?

  昨日は花の真っ盛り 今日も続いて見ごろでも

  明日あしたは花も散っちゃって 秋草みたいになるだろう

  花を背にしている人が 去年と同じ人だとて

  去年と比べりゃ今年には 年取っちゃてる一歳も

  昨日みごとに花咲けど 枝に別れを告げ散れば

  明日あす見るためにやってくる 人が果たしてあるや否?

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』12

  そのとき『君たちはどう生きるか』の対抗馬 (!?) として挙げたのは、色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)でした。京都美術工芸大学にいたとき、『京都新聞』から求められて、就職試験に臨む受験生にエールを送るべくエッセーを寄稿したのですが、本書から「九勝六敗を狙え」を引用し...