2022年5月14日土曜日

蕪村唐寅試論8

 

みずから「江南第一風流才子」と誇らしく名乗った唐寅ですから、お酒が嫌いなはずはありません。あるいは僕と同じで、「酒は文化だ。したがって文人の俺は飲まねばならない」と思って無理して飲んでいたのかな() 

お酒といえば李白ですね。唐寅の「酒を把りて月に対する歌」は、李白の名吟「月下独酌」をモチーフにして詠んでいます。この天才詩人を心から尊敬しつつも、時代を超えてお酒によって結ばれた友のごとくに詠んだユーモアが、江南第一風流才子の明るい人柄をよく感じさせてくれます。

それは山本勉さんの愛猫ルリちゃんに戯訳をささげた、「猫を責む」のユーモアにも通じているようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』11

渡辺浩さんの著作を拝読すると、恩師・丸山真男先生に対する尊崇の念が行間からも感じられます。スチューデント・エヴァリュエーション――学生による先生評価も世の流れですから致し方ないと思いますが、学問における師弟とはこうありたいものだと、襟を正したくなります。 丸山真男先生といえば、 ...