彦九郎日本に還るに詩を作りて之れを餞とす
浮き草みたいに二度までも 我が中国へやって来た
国に帰れば誇らしく 語るんだろう渡航歴
はたちの青年 剣と玉 身に帯び皇居に参内し
星も瞬く真夜中に 宿直とのいの役をやってきた
三年過した客人まろうどに 送別の歌 贈りたい
大海原をスイスイと 無事に故国へ万里越え……
その旅のあといつの日か 必ず戻って来て欲しい
別れの竹と花束を いま贈るのは止めとこう
これまで知られてきた『紀伊国名所図会』の流布本にも「根来椀」の項はあるのですが、内容がまったく違っていて、「根来塗」という語は出てこないのです。異本は流布本と同じく天保9年( 1838)の出版 だそうです から、「根来塗」の初出は、これまで考えられていたより、40年もさか...
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