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2021年8月21日土曜日

サントリー美術館「ざわつく日本美術」15

 

祐信は見立て絵の名手でした。版本では何といっても『絵本徒然草』ですね。兼好法師の『徒然草』に出る話を、当世風俗に見立てた秀作絵本です。見立て絵のプロトタイプともいうべきナゾナゾ絵本『絵本余所画鏡』は、祐信周辺で作られたものと推定されています。祐信筆と断定はできませんが……。

江戸の鈴木春信が祐信の絵本から大きな影響を受けて、「座敷八景」のような見立て絵の傑作をものしたことも思い出されます。祐信の肉筆にも見立て絵が少なくありません。このような祐信が、サントリー美術館の「美人図」を構想することは、さして難しくなかったとも考えられます。しかし、陶淵明の「閑情の賦」によるきわめて複雑な見立てテクニックが使われている点からは、背後に京都漢学派知識人の存在を想定したい誘惑に駆られます。


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