先の館長講演は「出会い旅立ち別れの情――日中絵画の流れから――」と題しましたが、そのとき取り上げた優品に、わが静嘉堂文庫美術館が所蔵する中山高陽筆「渓山清興図」があります。自作自賛の七言絶句がとても素晴らしい――とくに酒仙館長にとっては(笑) またまた戯訳で紹介することにしましょう。
破れた窓にボロ机 もの寂しいなぁ!!我が書斎
眠りから覚めチョットだけ 描いてみたのさ山水を
乱れた筆ゆえ他の人が 一顧せずとも構わない
しかし一杯やってから 見れば興趣もぐっと増す
愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...
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