こういう場合、監修者というのは独断と偏見で、自分が書きたい章をまず決めてしまうことが許されています(!?) それまで辻惟雄さんが創出した「奇想の画家」については、あまり概説をやったことがなかったので、ぜひ書きたいと思い、みんなと相談することもなく最初に僕が取っちゃったんです。
しかし奇想派の概説については、簡にして要を得た名論卓説がたくさん発表されていました。それを繰り返してもおもしろくないので、辻惟雄さんの『奇想の系譜』に的をしぼることにしたのです。
右幅に狩場明神が描かれています。狩場明神は高野山の地主神です。弘法大師伝によると、弘仁7年(816)夏に 大師 が伽藍の地を求めていた折、大和国那智で出逢い高野の地へと導いたのが、猟人の姿をした狩場明神でした。 以上は 大阪市立美術館・石川温子さんの カタログ解説によるとこ...
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