2021年5月25日火曜日

辻惟雄『日本美術の歴史』と沢村忠8

 


辻惟雄さんが評伝「奇想の系譜――江戸のアヴァンギャルド」を『美術手帖』に連載したのは昭和43年(1968)、選ばれたのは岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、歌川国芳の5人でした。その2年後もう一人長沢芦雪が加えられ、蕭白描く奇妙な寄り目の墨龍が表紙を飾る『奇想の系譜』(美術出版社)が出版されたのでした。

僕はこの本がいかに革命的であったかを述べたあと、しかしそれは当時の日本社会の反映でもあったことを指摘し、つぎの文章を締めくくりにしたのです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』12

  そのとき『君たちはどう生きるか』の対抗馬 (!?) として挙げたのは、色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)でした。京都美術工芸大学にいたとき、『京都新聞』から求められて、就職試験に臨む受験生にエールを送るべくエッセーを寄稿したのですが、本書から「九勝六敗を狙え」を引用し...