白魚[しらうお]の指重ねては 束ねるカラスの濡れ羽色
かんざし緑の黒髪に 滑って差すことできやせぬ
春風爛漫 物憂げで なよやかな美人 悩ませり
芳紀十八 鬟[まげ]の型 多くて選ぶの 迷ってる
髪美しく化粧済み 崩さんとするも崩し得ず
雲の裳裾でゆるやかに…… 砂上を歩む雁のよう
背を向けた上もの言わず 恋人置いてどこへ行く
階段下りて自分から 手折った花は桜桃[ゆすらうめ]
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